多肉植物のエケベリア属とは?

エケベリアは多肉植物でトップクラスの人気です。多肉植物といえばエケベリアといわれるので、多肉植物の中心的なものです。

エケベリアは多肉植物そのものではなく、多肉植物をまとめたグループ名のことです。グループのことを属(ぞく)と植物の世界では呼ばれています。

そんな大人気のエケベリア属を深掘りしていきます。

エケベリアの由来

エケベリアの属名はメキシコの画家の名前に由来しています。その画家の名前は、Atanacio Echeverria(アタナシオ・エチュベリア)さんでして、メキシコの植物誌の挿絵を描いていました。

画家のエチュベリアがエケベリアという名前に変化しました。挿絵の画家の名前が植物の属名になるとは不思議ですね。

熱狂的ファンがいるエケベリア属

エケベリア属の多肉植物の熱狂的ファンが多数います。なんと、イベントを開催すると、エケベリア属のファンが集まります。多種多様のエケベリア属の即売会・オークション、玄人のトークセッションなど、イベントが盛り上がっています。

また、ふるさと納税の御礼の品にエケベリアセットがあります。エケベリア属の多肉植物が欲しい動機が納税につながるほどです。

さらに、この熱狂は日本国内に限らず、世界中に広がっています。アジア圏の台湾と韓国には熱狂的ファンが多数います。

人気の秘密は?

エケベリア属の多肉植物には、株のカタチ、色、葉の姿を含めて豊富な種類があります。エケベリア属の株はバラのようです。可憐・華麗・華やかさ・美しさ….言葉では表現できない植物の姿に人々が魅了されます。難しい言葉にすると、バラのような姿はロゼッタ状といいます。

さらに、エケベリア属の多肉植物は葉の全体に白い粉がついています。白い粉がふわっとして、触りたくなる気持ちをかき立てます。でも、触ってしまうと白い粉が消えます。そのため、鑑賞に止まるという心の葛藤を楽しめます。

また、葉の周辺だけが紅葉します。色は淡いピンク・小豆色のような赤茶色など、種類が豊富です。完全に同じ色になることはありません。微妙な色の違いがあるのです。

そして、サイズは小さいもので10センチ未満、大きいものだと50センチぐらいです。

エケベリア属の5つの魅力
  • カタチ:姿と形の種類が豊富
  • 色:葉の色と色の入り方が千差万別
  • サイズ:育てやすいコンパクトサイズが多い
  • 増やし方:葉挿しで簡単に増やせる
  • 生長:1年ほどで完成された形になる

増え続けるエケベリア属の種類

エケベリア属の多肉植物は1000種類を超えてどんどん増えています。種類が増えるとはどういうことか、疑問ですよね。

エケベリア属の元々の種類数は約200です。難しい言い方をすると、原種(げんしゅ)です。本来、植物としては200種類だったのです。

なぜ、5倍以上の種類に増えたのでしょうか?

交配

交配といいまして、人がエケベリア属の多肉植物を掛け合わせて、新しいエケベリア属の多肉植物を作り出したからです。

カタチ、色、サイズは生育環境で変化します。ですが、ドラスティックに3つのバランスを変化させたいという人の欲求は、特徴の異なるエケベリア属の多肉植物を混ぜることに行き着きます。

原種と原種を交配して新しい種類のエケベリア属の多肉植物を作り出します。これがスタートでした。ところが、交配後のエケベリア属の多肉植物と別の交配後のエケベリア属の多肉植物を交配します。元々の品種が何であるか、わからないほどです。

なぜ交配するのか?

カタチ、色、サイズの3つのバランスが人々を魅了するからです。そして、魅了すると商業的に売買が盛んになります。趣味の領域を超えてビジネスとして成り立ちます。このようにして、人々の感性に訴える品種を作り出して、ビジネスとして成功することで、さらに交配が進み、種類が増えるのです。

原種は貴重

エケベリア属の多肉植物は交配が盛んです。もはや原種がどこにあるのかわかりません。そのため、原種を大切に育てるという考え方もあります。植物の元々の姿を守るという考え方も素晴らしいものです。

新しいカタチ、色、サイズの3つのバランスがよい交配を作り出すためには、原種が不可欠です。交配の人気があがれば、原種の価値も上がります。

根岸交配

日本で有名なエケベリア交配は「根岸交配」です。根岸さんが1970年から1980年代に交配によって、作り出した品種です。人々を魅了するもので、今でも多くあります。

有名な根岸交配の品種
  • 「野ばらの精」(ノバラノセイ)(ザラゴーサノバ×静夜)
  • 「沙羅姫牡丹(サラヒメボタン)」(ザラゴーサノバ×姫牡丹)

多肉植物の楽しみとしての交配

エケベリア属の多肉植物の交配に特化して、新しい品種を作り出す方々もいます。これからも、エケベリア属の多肉植物は、雪だるま式に増えます。

品種を増やすことに賛成する人と反対する人で意見の対立が生じることがしばしばあります。ですが、人々を熱くさえる魅力が、多肉植物のエケベリア属にはあるということは、確かな真実です。