冬型メセン(女仙)を夏に腐らせない方法

https://taniaru.com/wp-content/uploads/2019/03/shutterstock_149000414.png
YURI

沖縄地方は梅雨入りが始まったようです。そろそろ本州でも梅雨入りになりそうです。

多肉植物を育てている人にとって梅雨入りは、多肉が腐ることが多くあるので、気分がなえてしまう時期になります。

そんな気持ちが少しでも前向きになれるような記事を今回は書きます。

冬型とは

今回の記事は冬型メセン(女仙)に限定してお話をします。

なんの型が冬?

血液型ではないことは確かだとお分かりになるはずです。ではなんの型が冬なのでしょうか。

答えは、 生長の型が冬なので、冬型と言うのです。

では夏はなに?

冬型の多肉植物は冬に生長する時期です。では夏は何をしているのでしょうか。そう、夏休みという名の”休眠”です。

メセン(女仙)とは

ハマミズナ科に属する植物全体を総称してメセン(女仙)と言います。ハマミズナ科には約120属があり、2000種類ほどの多肉植物が該当します。

仙人掌(せんにんしょう)

突然ですが、仙人掌(せんにんしょう)とは何を表すかわかりますか。 そして多肉植物に関係する業者の名前(愛仙園、鶴仙園、仙興園など)には”仙”が入っていることが多くあるのはなぜ?と疑問に持ったことはありませんか。

サボテンを漢字で表記すると仙人掌(せんにんしょう)となるのです。この漢字を覚えておいてください。次のお話につながります。

メセン(女仙)の由来

2019年の現在では、サボテン(仙人掌)より多肉植物のほうが有名です。しかし、昭和の時代は多肉植物より サボテン(仙人掌) のほうが有名でした。その時代に、メセン(女仙)と名付けられました。

つまり、トゲのあってゴツゴツした力強いサボテン(仙)と比較して、丸みのある愛らしい姿が女性的であったことから、メセン(女仙)と名付けれました。

主な属

メセン(女仙)にはコノフィツム属とリトープス属があります。どちらも小さく可愛らしい姿で生長をして、きれいな花を咲かせます。

腐れ玉

腐れ玉とはメセン(女仙)が夏に溶けてしまうことから、昔よく言われた言葉だそうです。なんとも不名誉な呼び名です。

腐ることのないようにするためにはどうしたらよいのでしょうか。まずは、自生地の気候から考えてみましょう。

自生地の気候

メセン(女仙)の多くの品種は、南アフリカのケープ地方が主な原産地になります。ケープ地方の気候は、地中海性気候に該当します。

地中海性気候の特徴の一つに冬に一定の降雨があり、夏は日ざしが強く乾燥するという雨季と乾季がはっきりしているということがあります。

夏と冬

日本では、6月から9月が夏になり、11月から2月が冬になります。

それでは、ケープ地方の気温を見てみましょう。

最高気温(おおよそ)最低気温(おおよそ)
1月25℃以上 15℃以上
2月25℃以上 15℃以上
3月25℃以上 15℃以上
4月20℃10℃
5月20℃10℃
6月15℃10℃以下
7月15℃10℃以下
8月15℃10℃以下
9月20℃10℃
10月20℃10℃
11月20℃10℃
12月25℃以上15℃以上

であると、言われています。

するとどうでしょう。日本の気候とケープ地方の気候は反対になっていることに気が付いたでしょうか。

日本の気候と自生地であるケープ地方の気候が反対になっていることも日本でメセン(女仙)が腐ってしまう要因の1つです。

冬型と夏型についての記事もありますので、よろしければこちらからどうぞ。

雨が降る量

ケープ地方日本(東京都)

年間降水量
545.8㎜ 1528.8㎜
多く降る時期5月-8月5月-10月
多く降る時期の量90㎜210㎜

とケープ地方と日本(東京都)とでは雨量に大きな差があります。

高温多湿の日本の気候が自生地のケープ地方とは大きく異なり、メセン(女仙)には負担があるようです。

この自生地の気候と日本の気候を知らずに、メセン(女仙)を育ててしまうと、確かに腐れ玉と言われてしまうのも仕方のないことに思えます。

もし、夏に通販でメセンを購入しようとしていたがいらっしゃったら、こちらの記事もおすすめです。

日本の梅雨や夏を乗り切る方法

腐れ玉という不名誉なニックネームのあるメセン(女仙)の名誉を挽回するためにも、梅雨と夏を腐らせずに乗り切りましょう。

水やり

6月から8月にかけては、水やりを控えます。乾燥している場所に自生しているメセン(女仙)は乾燥には強いですが、多湿にはとても弱いです。

水やりをしないと苗がシワシワになって、可哀そうに思えてきますが、そこは、ぐっとこらえてください。

6月から8月の間全く水をやらないということに抵抗がある場合には、1か月に1-2回ほど、夜の涼しくなったころにたっぷりと水をやってみるのもいいかもしれません。自生地でも数か月も全く雨が降らないということはないはずです。より自生地に近い環境になるかもしれないです。

遮光

この2枚の写真は国際多肉植物協会(I.S.I.J.)の小林浩会長のメセン(女仙)の遮光方法です。5月の中旬の時点で新聞紙を鉢の上に直接乗せてしまい、遮光をしていました。

さらに、日差しが強くなってきた頃にはこの遮光を色のついたプラスチックの板で天井を覆い、横からの日差しだけにするそうです。

究極の方法

苗を土から出してしまうという方法です。少々乱暴かもしれませんが、土がなければ、根っこが濡れることもありません。

注意点

断水をしているとネジラミと言って根っこに虫が付くことがあります。それを防止するためにも、土を入れたままで夏を乗り切る場合には、土にオルトランDXを入れるなどして防虫をしてください。